No1.カタン スタンダード版(CATAN)
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デザイナー Klaus Teuber(クラウス・トイバー)
メーカー GP社(ジーピー,日本)
発売年 2011年 (原版1995年)
版元 KOSMOS(コスモス,ドイツ)
プレイ人数 3~4人
公称プレイ時間 約60分
対象年齢 8歳以上
定価 4104円(日本アマゾンで2500円ほどで購入)
言語依存 少ない(発展カードとボーナスカードのみ)
相互干渉 多い(交渉、妨害など)
ルール難度 普通(要素は多いが、骨子はシンプル)
個人的評価 8点(10点満点)

 記念すべき最初のレビューは『カタン スタンダード版』です。巷にいくらでもある『カタン』のレビューを今更する必要があるのか、車輪の再生産ではないのかとも思いますが、『カタン』は私が初めて買ってプレイした思い出のボードゲームなので、レビュー第一号としてここにあげさせてもらいました。

1.ルール概要
 パッケージにも書いてありますが、『カタン』は「開拓する(Siedeln)、取引する(Handeln)、建設する(Bauen)」の3つを通してゲームが進行していきます。その3つについて簡単に説明したいと思います。
 a)開拓する
 『カタン』では各手番に二つのダイスを振り、その合計の目の地形から資源が産出します。例えば1と2の目が出れば3のチップが置かれている地形から資源が産出し、その地形に隣接している開拓地または都市を持つプレイヤーはその資源を手札に加えることが出来ます。
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(2つのダイスの合計が3なので、小麦の3の地形から資源が産出します。)

 地形は全部で6種類あり、そのうち砂漠からは資源が産出しません。残りの森林からは木材、丘陵からはレンガ、畑からは小麦、牧草地からは羊毛、そして山地からは鉱石が産出します。IMG_20190418_162234
(左上から順に、砂漠、森林、丘陵、畑、牧草地、そして山地の地形です。)

 b)取引する
 上記のダイスを振る行為(開拓)で資源を手札に加えていくのですが、ダイスの出目によっては自分の欲しい資源が手に入らないことがあります。そのような時は自分の持っている資源を他のプレイヤーに提示して資源の交換を持ち掛けることが出来ます。この時の交換比率はプレイヤー同士で自由に決めることが出来、例えば、どうしても鉱石が欲しいときには、相手の鉱石1枚に対し、自分の木材とレンガを1枚ずつ提示して1:2の交換をすることも可能です。
 また、港(桟橋が描かれている頂点)に配置されている開拓地、または都市を持っている場合にはその港に図示されている比率で資源の交換を行うことが出来ます。3:1と書かれていれば自分の同じ資源3枚(これは全て同じ資源でなければならず、2種と1種、または3種の資源、レンガと木材と鉱石1枚ずつなどでは交換出来ません)とストックの好きな資源1枚を、小麦の絵に2:1と書かれていれば自分の小麦2枚とストックの好きな資源1枚を交換することが出来るのです。
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(左上に3:1港が、右上に小麦の2:1港があります。)

 港に隣接する開拓地または都市を持っていない場合は、交換比率はよくありませんが、自分の同じ資源4枚とストックの好きな資源1枚を交換することも出来ます。
 c)建設する
 開拓と取引で手に入った資源を使って街道・開拓地・都市を建設することが出来ます。街道はレンガと木材1枚ずつ、開拓地は木材とレンガと小麦と羊毛1枚ずつ、都市は小麦2枚と鉱石3枚が建設に必要です。
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(建設コストの一覧はプレイヤーの人数分用意されています。) 
 
 初期配置として各プレイヤーは開拓地と街道を2つずつマップ上に置くのですが、その後の建設はそれに接続する形で行わなければなりません。また、都市は既に建設されている開拓地を発展させる(上記の資源を手札から支払う)形でしか置くことが出来ません。
 d)勝利条件
 『カタン』は10点を獲得したプレイヤーが勝利します。得点は開拓地(1点)、都市(2点)を建設することで入手出来ますが、他にボーナスカードの最長交易路(2点)・最大騎士力(2点)、または発展カードのポイントカード(1点)を手に入れることでも獲得出来ます。
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(ポイントカードは発展カード25枚の中に5枚だけ入っています。)

2.言語依存:少ない(発展カードとボーナスカードのみ)

 『カタン』のボードや資源カードには言語依存はありませんが、小麦と羊毛と鉱石を使うことで手に入る発展カードと、特定の条件を満たすことで手に入るボーナスカードにはテキストがあります。ただ、発展カード25枚のうちテキストがあるカードは20枚4種(騎士、街道建設、発見、独占)のみ、ボーナスカードも2枚2種(最大騎士力、最長交易路)しかないので、対応表を用意出来れば外国語版でもプレイに支障はないと思います。
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(発展カード25枚の中に、騎士カードは14枚、発見・独占・街道建設は各2枚計6枚入っています。)

3.相互干渉:多い(交渉、妨害など)

 ルール概要で説明したとおり、資源の取引がプレイヤー間で行われます。また、ダイスの目の合計で7が出た場合、手札を8枚以上持っているプレイヤーは手札を半分まで(端数切捨て)捨てなければならず、且つ盗賊コマ(置かれた地形から資源が産出しなくなる)を好きな地形に置くことが出来るので、他のプレイヤーの開拓地などが隣接している地形に置くことで相手の妨害をすることも可能です(隣接している相手に資源が入らなくなるだけでなく、盗賊コマを置くことで相手の資源をランダムで1枚選び、自分の手札に加えることが出来ます)。
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(確率的に7の目は一番出やすいので、盗賊は頻繁に移動を繰り返すことになります。)

 他の要素としては、発展カードのうち、騎士カードと独占カードには他のプレイヤーを妨害する効果があり、個人ボードではなく共通ボードに開拓地などを設置していく関係から、どの場所に開拓地などを置いていくかは早い者勝ちという面もあります。

4.手番の行動まとめ
 では、手番の行動をまとめてみます。
 ①:開拓(必須)
 2つのダイスを振り、合計の目の数字パネルが置かれている地形から資源が産出します。7の目が出た場合は、資源を8枚以上持っているプレイヤーは全員手札が半分(端数切捨て)になるように捨てなければなりません。
 ②:取引、建設(任意)
 他のプレイヤーまたは港などと資源の交換が出来ます。必要な資源が手札にあれば、その資源を支払って開拓地などを建設する、または発展カードを購入することが出来ます。
 開拓は必須の行動ですが、取引、建設は任意の行動なので、何もせずに自分の手番を終えることも可能です。

5.ルール難度:普通(要素は多いが、骨子はシンプル)
 『カタン』が初めて購入したボードゲームということもあり、最初は覚えることが多い印象でした。しかし、1回プレイしてみると大体の流れは理解することが出来ました。行動まとめに書いたように、骨子自体はとてもシンプルだということが、その分かりやすさに繋がっているのだと思います。例え日本語だとしても、テキストカードが満載だとその確認だけで大変ですが、種類も少なくかつテキストも短文なので、内容の把握も簡単でした。
 
6.個人的評価:8点(10点満点)
 とても面白いボードゲームです。3人プレイだと盤面が広く、各自自由に街道を広げていけますが、4人プレイだと急に盤面が狭くなり、どちらが先に開拓地を置くかという熱い戦いが繰り広げられることになります。
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(赤のプレイヤーが最長交易路を獲得し、羊の豊富な地形と羊の2:1港を確保しています。)

 そして、その上での取引が『カタン』1番の魅力だと私は思っています。相手に取られないように資源を確保出来れば、その資源を高値で売り付けることが出来るのです。前提として、自分だけが持っている資源を、他のプレイヤーが同等以上の価値であっても交換したいと思っていることが必要ですが、上手くいったときはしてやったりという気分になります。難しく思えるかも知れませんが、相手の産出状況、支払い状況から手札を把握した上で交換を持ち掛ければ取引成功の確率も上がると思います。
 特定の誰かを直接的に任意のタイミングで妨害する手段は乏しいですが、それがギスギスしすぎない要因にもなっています(一応、飛び出した1人に対して、皆が集中して盗賊コマを置くなどの妨害も可能です)。
 付け加えるなら、勝利への道筋が1つでないこと、地形に置かれた数字チップの配置によって、ゲーム毎に貴重な資源が変わることも大きな魅力で、リプレイ性を高めることに寄与していると思います(上の写真では羊とレンガは豊富ですが、木材と鉱石と小麦は希少になっています)。
 難点としては、プレイ時間が比較的長めになることが挙げられます。自分の手番に資源の限りいくらでも行動することが可能なので、どういう組み合わせで行動するかを考えるのに長考気味になってしまうのです。メンバーにも左右されると思いますが、私がプレイするときは公称プレイ時間60分で終わらずに90分以上かかってしまいます。また、ダイス運が悪いと資源が集まらず、そもそも交渉のしようがないということもあるかもしれません。
 ただ、ダウンタイムの長さはプレイヤーに依存するものだと思いますし、ダイス運は初期配置に6や8などの確率の高い地形に置くことで回避出来なくはないので、ゲームシステム自体に特に不満は見当たりません。さすが世間に名作と言われるゲームは違うなと素人考えながら当時思ったのを思い出します。一緒にプレイした家族からの評判も上々でしたし、今に至るまで10回以上は繰り返し遊んでいるので、本当に買って良かったゲームでした。

 さて、これで第1回のレビューを終わりたいと思います。思ったよりも作成に時間が掛かってしまい、何もないブログを見に来られた方には申し訳ない限りです。次の更新もスローペースになるとは思いますが、思い出した時にでもまた見ていただけたら心から嬉しく思います。

(2019年5月17日追記)
 『カタン』の難点について、初期配置の重要性が比較的高いということを追加したいと思います。これは全員が経験者であれば難点ではなく、寧ろ熱い心理戦を繰り広げることが出来る魅力の1つです。ただ、経験者と初心者が交じってプレイする場合、採れる資源とその後の戦略を考えて配置する経験者と、適当に配置する初心者ではその後の経過に雲泥の差が生じてしまい、もうどうしようもないと初心者が白けてしまうことにも繋がってしまいます。そのため、初期配置の際にある程度のアドバイスが必要なのですが、ここに置くべきなどあまりに助言しすぎると折角の『カタン』の自由度が失われてしまい、ここでもまた初心者が興味を失うことに繋がってしまいます(指図されることにあまり抵抗がないならいいですが、ある程度は自分で決めたいと思う人の方がやはり多く、協力ゲームの奉行問題に似ているかもしれません。)。
 経験者が助言は最低限とし、自身のプレイングに手心を加えるという接待プレイをすることが解決策かもしれませんが、この点においては、『カタン』は誰とでも対等に遊べるゲームとはいえないかもしれません。