1000x1000
原題 Feuer Drachen(邦題:ファイアドラゴン)
デザイナー Carlo Emanuele Lanzavecchia
(カルロ=エマニュエレ・ランツァヴェッキア)
メーカー HABA (ハバ, 独)
発売年 原版:2013年(独)、日本語版:2015年
版元 日本語版:すごろくや
プレイ人数 2~4人
2人プレイ 通常ルールと変わらず
公称プレイ時間 約15~20分(実プレイ時間は30分)
対象年齢 5~99歳
定価 4860円
購入価格 送料別で約2600円
(独Amazonで約25ユーロ(1ユーロ126円)で購入)
言語依存 無し
相互干渉
(インタラクション)
あり(共用ボード、妨害など)
ルールブック 4ページ
ルール難度 簡単(5歳からとしては少し要素多めか)
個人的評価 6点(10点満点)

はじめに


 3回目のレビューは『ファイアドラゴン』です。『ボードゲームカタログ202』を読んでコンポーネントに一目惚れしたゲームで、欲しいと思って情報を探したんですが、このときには絶版になっていました。もう手に入らないと思うとより欲しくなるもので、懸命に探した結果、独Amazonではまだ売られていることが、それも日本語版の4割引程で売られていることが分かりました。これを逃したら手に入らなくなってしまうかもしれないと思って、またも懸命に情報を収集し、海外Amazonのアカウントを作り、人生初の個人輸入を実行しました。すごいバイタリティでした。正確に言うと『ファイアドラゴン』のためだけではないのですが、『ファイアドラゴン』が個人輸入の大きな原動力になったことは確かです。
 とまあ、実に思い出深いゲームなのですが、やってみると思ったより地味で、母親は良かったと言っていましたが父親の評価は芳しくなく、買ったときの1回しかプレイしていませんでした。ところが最近は、私が持っているボードゲームの中で一番の稼働率になっています。誰とプレイするかでこんなに変わるのかと、その差が面白かったので改めてここでレビューしていきたいと思います。

1.ルール概要

 『ファイアドラゴン』は各プレイヤーが2頭のドラゴンを操り、火山の噴火でボードに散らばるルビーを拾って、布袋の中に集めていくゲームです。ここではまず、ドラゴンの移動と火山の噴火、そしてルビーの獲得・奪取について説明していきたいと思います。
IMG_20190630_132953
(2頭のドラゴンと布袋を各プレイヤーが持ってゲームはスタートします。)

 a)ドラゴンの移動
 ドラゴンの移動はサイコロを振って行います。サイコロを2つ一緒に振り、そのどちらかの目をドラゴンの移動の数にして、もう1つの目は火山の中にルビーを補充する数にします。2頭のドラゴンのどちらを進めるかはプレイヤー自らが選択します。
IMG_20190630_133059
(この場合、移動3補充2または補充3移動2のどちらかを選択できます。)
IMG_20190630_133403
(補充するルビーをストックから火山の中に入れます。)
IMG_20190630_133457
(ドラゴンの移動は1つの区切りを1マスとして行います。)

 b)火山の噴火
 サイコロを振ったときに噴火の目が出た場合、火山の上部を手で持ち上げて、火山の中に入っていたルビーをボード上に散らばるようにします(火山の噴火)。噴火の目が出ても火山の中が空だった場合は、3個のルビーを補充するだけにします。2つのサイコロ共に噴火の目が出た場合は、まず3個のルビーを火山に補充し、その後噴火させます。
IMG_20190630_133606
(火山は右の土台に左の上部を重ねて構成します。)
IMG_20190630_133637
(上部を浮かすことで土台との隙間が生じ、そこから補充されていたルビーがボード一面にこぼれて広がります。)
IMG_20190630_133822
(噴火しても火口の中に残ってしまったルビーはそのままにしておきます。)

 c)ルビーの獲得・奪取
 サイコロを振ってドラゴンが移動した場所にルビーが落ちていた場合、そのルビーを獲得して、自分の袋に入れることが出来ます。ドラゴンが移動したときに、他のプレイヤーのドラゴンがいる場所に止まった場合、その相手プレイヤーの袋から中に入っている物を1つ奪取することが出来ます。中は見ないようにして、手だけ袋の中に入れ奪取するようにし、中が空だった場合は何も取ることが出来ません。このとき、複数のプレイヤーがその場所にいても奪取出来るのは誰か1人の袋からだけです。ゲームが始まる前に各プレイヤーの袋の中にはルビーでない炭が3個入れられているので、それを袋から引いてしまった場合は自分のルビー所持数が加算されることはありません。 
IMG_20190630_133900
(1つの場所に複数個のルビーがあった場合、その全てを獲得できます。)
IMG_20190630_134108
(炭は黒い石で、触っただけではルビーと区別出来ません。)
IMG_20190630_134233
(ルビーが落ちていて他のドラゴンがいる場所の場合、獲得と奪取の両方をすることが出来ます。)
 
 d)勝利条件
 ストックのルビーが無くなったターンにゲームが終了し、その時点で最もルビーを集めていたプレイヤーが勝利します。ストックが無くなったターンのプレイヤーは、その後のドラゴンの移動とルビーの獲得・奪取は行うことが出来ます。
IMG_20190630_134348
(ボード上や火山の中にたくさんのルビーが残っていても、ストックのルビーがなくなれば、そのターンでゲームは終了してしまいます。)

2.手番の行動まとめ

 では、手番の行動をまとめてみます。

 ①:サイコロを振る(必須)
 両方とも数字だった場合、片方をドラゴンの移動の数とし、もう片方を火山に入れるルビーの数とします。1つのサイコロが噴火の目だった場合、まず火山を噴火させ、次に片方の数字の目だけドラゴンを移動させます。そして、両方とも噴火の目だった場合、まず火山にルビーを3つ入れ、次に火山を噴火させます。

 ②:ルビーの獲得・奪取(ドラゴンの移動を行った場合)
 ドラゴンが移動した場所にルビーが落ちていた場合、その場所に落ちているルビーを全て獲得し、自分の袋の中に入れます。移動した場所に他のプレイヤーのドラゴンがいた場合、そのプレイヤーの袋の中からランダムで1個の石(ルビーまたは炭)を奪取します。 

3.ルール難度:簡単(5歳からとしては要素が少し多めか)

 基本はサイコロを振るだけなので、ルールが理解出来ないということはほとんどないと思います。振った後の処理も、どちらの目を移動にするか決め、どちらのドラゴンを動かすか決め、動いた先にルビーが落ちていればそれを自らの袋に入れ、他のドラゴンがいればその人の袋から1つ取るだけです。
 ただ、対象年齢が5歳からと見たときに、勝手にそうなるのではなく、どちらをするか自ら選択して決める(どちらのドラゴンを動かすか、どちらの目を移動にするか等)ということをちゃんと出来るのかなという思いはあります。
 一応、私の甥っ子(4歳)の場合ですが、子供は大人が思っているよりも順応性があるようで、ドラゴンの選択はまだ難しいですが、それ以外は何となく理解して楽しめています(2進めばルビーがたくさん取れるのに4進みたがるなど、やり方は分かってもその先はまだ難しいようですが)。
 
4.言語依存:なし

 ゲームで使う物に文字が書いてある物はありません。数字もアイコン表示もありません。

5.相互干渉:あり(共用ボード、妨害)


 共用ボードの中でルビーを集めるので、落ちているルビーを取れるかは早い者勝ちで決まります。妨害として、相手のドラゴンと同じマスに止まると相手の袋からルビーを一つ取ることが出来ます。袋の中には外れの炭も入っており、それを引いてもルビーが増えることにはなりませんが、自分の袋の外れが増えることになるので、その後他の人から引かれるときにその相手が外れる確率が若干上がります。

6.個人的評価:6点(10点満点)

 私の甥っ子(4歳)が大好きなゲームです。私の甥っ子がしたことがあるのは『にわとりのしっぽ』ぐらいで、それと比べると『ファイアドラゴン』は要素が多いため、まだ難しいんじゃないかと思っていました。しかし、出してみるとかなり食いつきが良く、「もう1回!」がいつまでも続きました。何が子供を虜にしたのかを以下紹介したいと思います。
 第1にドラゴンです。パッケージの絵を見ただけで「これ何?」と聞いてきて、タイトルを伝えると『ファイアドラゴン』、炎の竜というのが格好良く感じたみたいです。ドラゴンの駒を持つだけで楽しそうで、やっぱり子供、特に男の子はドラゴンというだけでわくわくするんだなと思いました(大人でもドラゴンは好きですけど)。
 第2にルビーです。「これ何?」と聞かれたときに「これは宝石で、たくさん集めた人がお金持ちになって勝つの。」と説明してプレイすると、ルビーをたくさん手に入れたときに「これでお金持ちになった。」「こんなに拾ったよ。ほら、見てみて!」と言ってくるようになりました。お金持ちになるという目的が単純で子供には分かりやすく、且つ、手に持ってじゃらじゃら出来る綺麗な石というのがそれだけで嬉しいようです。
 第3に火山の噴火です。火山の上部を持ち上げるだけの簡単な仕掛けですが、誰が噴火の目を出しても噴火させるのは甥っ子の役割になってます。たくさんの宝石が辺り一面にばーっと広がる、それがとても楽しそうです。
 そして、第4にルビーの奪取です。相手の袋からルビーを1個取ることが出来ると跳ね上がって喜び、反対に取られるときは「外れろー、外れろー。」と言いながら拝んでいます。相手が外れを引いたときは「いぇーい!」と喜びますが、自分が外れを引いたときはとても嫌がり、それを袋の中に入れたくないと言います。入れた方が相手から取られるときに外れを引いてもらう確率は上がるのですが、小さい子にそんなことは分かりません。ただ単純に自分の袋の中にルビーじゃない外れが入るということが嫌なようです。他にもサイコロを振って駒を進めるということ自体等、このゲームの要素1つ1つをとても楽しんでいるように見えます。
 こういった魅力を味わえるのも簡易なルールのお陰です。勿論細々とした要素全てを理解出来ているわけではありません。最初はサイコロを2ついっぺんに振るということも難しかったですし、自分のいるマスも含めて1と数えて駒を進めようとしたり、ルビーの数え間違いもよくありました。しかし繰り返しやっていく内にそのどれもやれるようになってきました。上でも述べましたが、今でも難しいのは2頭のドラゴンを選択して動かすということで、小さいドラゴンを動かせばより多くのルビーが取れる場面でも大きいドラゴンをどうしても動かしたくて、祖父に「そっちを動かせば良いっちゃが」と言われても「これでいいの。こっちを動かすの。」といって譲りません。まあ本人が楽しんでいるのでそれでいいと思いますが、ゲーム性を理解して勝ちを目指していくということが出来るようになるまでにはまだ時間が掛かりそうです(対象年齢が5歳からであるため、来年にはそうしたプレイも出来るようになるかもしれませんが)。
 以上のように流石キッズゲーム大賞ノミネートなだけあって子供には大人気なゲームです。子供だけでなく祖父母(80代)も一緒にプレイしてくれ、特に祖父は誘ってもないのに「じゃあ、じいちゃんは赤いのでするわ。」と参加してきます。誰でも出来るほどルールは簡単なのに、単純な運だけではなく少しの戦略性が含まれている、選択の要素があるということが大人、というよりも高齢者でも参加したくなる理由なのだと思います。
 ただまあ、これを大人だけでプレイすると、ほのぼのと楽しむことは出来ると思いますが、そこまでは盛り上がらないかもしれません。基本はサイコロを振るだけなので淡々としていますし、時間もその割には少し掛かります。運の要素も大きく、多少の戦略性はありますが、狙った目が出ないとルビーを取ることも妨害することも出来ません。その妨害も相手の袋から一つ取ることが出来るだけ、子供はたくさん取られるとやる気をなくしてしまうので、この一つしか取れないというのが寧ろマイルドになって良いのだと思いますが、大人同士だとちょっと大人しすぎる感じがします。そこまで考えることもないためプレイ感は軽いですが、何回も繰り返しやって「次はこうしよう」という風に習熟していくタイプのゲームでもありません(そこまで頭を使わないということは、子供に付き合って何ゲームもすることを考えると、あまり大人の負担にならないという点で良い点だとも言えますが)。
 子供含めてやれば7点ぐらいでしょうが、大人だけでやれば5点といったところでしょうか。間を取って6点をつけていますが、大人と子供によって感じる面白さがここまで違うということを教えてくれた、とても印象に残っているゲームです。

おわりに
 はじめにで述べたように最近はこればっかりして遊んでいます。ずっと眠っていた『ファイアドラゴン』もこれだけ遊ばれれば満足しているのではないかと思っています。こうした興味深い現象を示してくれたゲームがあれば今後も紹介していきたいと思います。

コメント

コメントフォーム
記事の評価
  • リセット
  • リセット