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 去年の年末頃の話なのですが、私の叔母からあるお願いをされました。それは、「孫にクリスマスプレゼントをあげ損ねた。たくさん良いゲームを知っているだろうから何かボードゲームを用意してくれないか」というものでした(この孫とは私にとっての甥っ子のことです)。この話を聞いて私はやったねと思いました。なぜなら、叔母のお金でボードゲームを買えて、甥っ子と一緒に遊ぶことになる関係上、それをプレイすることも出来るからです。叔母からの条件は、4歳の甥っ子でも遊べるみんなで遊べる予算は3000円前後というものでした。いくらでも選べるな、何を選ぼうかなと最初はお気楽に考えていたのですが、いざ選び始めるとこれが予想以上に大変な作業でした。一体何が大変だったのか、下に理由を並べてみたいと思います。

①叔母からは「時間は掛かってもいい」とは言われたが、遅れたクリスマスプレゼントとしてあげるなら早いほうが良い。出来れば親戚一同が集まっているお正月までには届いた方が良い。つまり個人輸入している時間はない
②叔母が一緒にプレイして「面白い」と言っていたのは『ファイアドラゴン』。つまり叔母の想定しているボードゲームとはボードを使ったゲームである可能性が高い。そのためバランス系やスピード系は今回除外する必要がある。
③ボードゲームを安く買うなら駿河屋だが、駿河屋には子供向けの大家であるHABAの新品取り扱いがほとんどない
④日本Amazonなら並行輸入品などでHABAの取り扱いもあるが、説明書がつかないものが多い。私が買うのだったらレビューサイトを見たりしてプレイ出来るが、叔母にそれは難しく、紙の説明書が付属していることが望ましい
⑤HABAと言えばすごろくやなのだが、田舎にすごろくやの実店舗はなく、通販をするにも大量に買わないと送料が掛かって割高になってしまう。
⑥私自身のコレクションにしたいゲームは手持ちにしたいのであげたくない。出来れば、手持ちにしたいとは思わないけど、やってはみたいと思っているゲームをプレゼントしたい。

 最後の理由は完全に私のエゴですけれども、以上様々な理由によって思ったよりもゲーム選定は難航しました。一番きつかったのは個人輸入が出来ないことで、最初は候補として『ドラゴンディエゴ』『カラフルミミズ』『オバケだぞ~』などを考えていたのですが、これらを国内で買うと中々高価で、とても予算の3000円前後では買えません。『オバケだぞ~』はHABAではなくドライマギアのため、駿河屋でも取り扱いがあり、場合によってはセールで3500円近くまで下がるのですが、残念ながらこの選定作業中にはそこまで値下がりすることはありませんでした。
 そんなこんなで「うーん」と頭を悩ませて最終的に選んだ候補は『ヒューゴ オバケと鬼ごっこ』『SOSダイナソー』の2つでした。『ヒューゴ』は7歳から対象になっていますが、ルール的には4歳から対象の『ねことネズミの大レース』と同じように感じたのが理由です。『SOSダイナソー』はルールが簡単そうだったのもありますが、協力ゲームだったので分からないところがあっても周りのプレイヤーでサポートし易そうでしたし、恐竜駒などのコンポーネントが可愛いのも魅力でした。そして、悩みに悩んだ結果、私自身の手持ちにしたいという思いもあったのですけど、協力ゲームなら『オバケ屋敷の宝石ハンター』も問題なくプレイ出来ていたし大丈夫だろうということで、『SOSダイナソー』をプレゼント用として注文することに決めました。
 ちなみにヨドバシカメラに12月28日(土)の真夜中に注文し、1月1日(水)に到着予定だったのですけど、12月30日(月)の昼過ぎになっても「在庫を確認中です」のままだったので少し焦りました。以前別の通販サイトで注文した際に、確認したところ在庫がなかったとのことで注文をキャンセルされたことがあったからです。そこで保険としてAmazonで『ヒューゴ』も注文したのですが、月曜の夜に発送手続きに入ったという連絡がヨドバシから来たのでほっと胸をなで下ろし、『ヒューゴ』はキャンセルすることが出来ました。すぐに届き、キャンセルは未発送なら無料、Amazonのありがたさを再認識した出来事でした。
 そして、1月1日に『SOSダイナソー』が届いたので、叔母に手渡し、私の仕事は無事完了したのです。
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プレゼント用だったのでギフトラッピングも追加料金を払って同封して貰いました。

 したのですが、ここで1つ落とし穴がありました。『SOSダイナソー』が叔母にとって難しかったのです。叔母と甥っ子と私と私の弟の4人でプレイしたのですが、甥っ子は自分担当の駒がないというシステムに戸惑いながらも少しプレイすると一応問題なくプレイ出来ていましたし、楽しんでいるようにも見えました。が、叔母にはピンときていないようでした。どうもこの協力ゲームというシステム自体がピンときていないようで、ルールを説明したときも「誰かが勝つとかじゃないと?」と不思議そうな顔をしていました。私の祖父も最初は覗いていたのですが、なんかよう分からんという顔をして向こうに行ってしまい、甥っ子が誘っても「いい」といって参加しませんでした。
 いや、本当にしまったなあと心の底から思いました。叔母からの依頼は「皆が遊べるゲーム」だったのに、甥っ子が遊べるかどうかだけを考えて、ボードゲームに余り慣れていない叔母や祖父が一緒に遊べるかという観点がすっぽり抜け落ちていたのです。私や私の弟は一緒に遊ぶことが出来ますが、いつも甥っ子と一緒に遊べるわけじゃありません。普段一緒に過ごし、最も甥っ子と遊ぶことが出来るのは叔母や私の祖父なのです。その2人が遊べるゲームじゃないとわざわざ甥っ子の手持ちになる意味がないということにこのとき気づきました(私が介在しないと遊べない難度のゲームだったら、私が手持ちのゲームを持参して一緒に遊ぶのと実態が変わらないからです)。本当にしまったなあと思います。せめてもの救いは甥っ子は「卵助けられた」などといって楽しそうに笑っていたことでしょうか。
 今回の失敗からもう叔母からゲーム選定の依頼は来ないかも知れないと思うと、愛好者としてのプライドがズタズタでもあります。ですが、もしまた依頼が来るのであれば、今度こそ期待に添う、みんなが遊べるボードゲームを選定したいと思います。

(後日、甥っ子が父親ともプレイしたみたいで、どうだったか聞くと「あのゲームは時間が掛かる」と言っていました。適正なルールですればそこまで時間の掛かるゲームではない気がするのですけど。感触からして今後の『SOSダイナソー』がちゃんと稼働していくのかどうか、その行く末が心配です)