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はじめに

 宮崎県の川南町立図書館では、毎月第3日曜日の14時から16時までの間に、ボードゲーム体験会が1階お話の部屋で行われています
(2020年2月は蔵書点検期間の関係で第4日曜日実施)事前申し込みは不要で、途中参加、途中退出も自由です。以前Twitterでその存在を知り、いつか参加したいと思っていたのですが、今月やっと休みの予定が合ったので、甥っ子(4歳)と私の母(60代)と3人で参加してみました。今回は体験会の様子と職員さんへのインタビューなどをレポートしたいと思います。
 なお、会の様子は図書館内ということもあり、写真撮影が出来なかったため、川南町立図書館が公式ページやフェイスブックで公開している写真を利用させていただいています。そのためゲーム風景などは今回の様子ではありませんが、大体の様子ということでご覧下さい。

体験会の様子

 図書館入り口に告知のポスターが貼られており、館内に入ると貸出カウンターの一角にボードゲームが並べられているテーブルがありました。
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 このテーブルから1つのゲームを選んで会場の「おはなしの部屋」に入るシステムのようです。テーブルには職員の方が1人ついて、何にしようか悩む参加者にどういうゲームか簡単に説明されていました。私達は『そっとおやすみ』を選んで部屋に入り、インストされるのを待ちました。

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 ゲーム体験会が行われるおはなしの部屋は靴を脱いで上がる場所で、部屋の隅には絵本も置かれています。写真のようなテーブルが2台あるので、一度に2グループまで稼働出来ます。最初のグループのインストが終わり私達の番になると、協力ボランティアの男性の方が加わり、職員の方と一緒にインストしてくれました(主催側は職員1人とボランティア1人の合計2人でした)。で、『そっとおやすみ』をやってみたのですが、甥っ子にはちょっと難しかったです。対象年齢が5歳からで、甥っ子ももうすぐ5歳になるのでなんとかなるかなとも思ったのですが、カードゲーム自体余り慣れていませんし、自分のカードの選択に夢中になってしまって、他の人がそっと置くのを見ることまで気が回らないようでした。

 職員の方も難しいと感じたようで、代わりのゲームということで『ブロックス』を持ってきてくれました。『ブロックス』は3歳か4歳になったばかりの頃にやってみて、角だけを繋いでいくということが上手く理解出来ず、ゲームにならなかったのですが、それから大分経つからと思ってやらせてみました。すると、最初の方に小さいピースを置いてしまうなど、勝つための手を打つことはまだ出来ませんでしたけど、角を繋げていく、辺をくっ付けないということをちゃんと理解した上でピースをはめていくことが出来ていました。大分大駒を残した状態で置けなくなってしまいましたが、全てが終わった後に「最初に小さな駒を置いたから置けなくなっちゃったんだな」と言っていて、そういう感想を持てるようになっていることに、甥っ子の成長を改めて感じることが出来嬉しかったです。

 『ブロックス』が終わると、甥っ子が「『カタン』がしたい」と言い出したのですが、既に15時を回っていたので「もう時間が無いが」と話していると、職員の方から6点で終了のショートルールならという提案がありました。そこで、母が抜け、ボランティアの男性と甥っ子の3人でプレイすることになりました。最近『カタン』を弟含めた3人でやったばかりだったので、「ルール分かるから聞かなくても分かるよ」と言っていて、実際大体は説明しなくとも自分で考え行動出来ていました。で、結果的に、開拓地を1つ作り、ポイントカードで1点稼ぎ、「街道建設」を引いてロンゲストロードを獲得した甥っ子が勝つという形で終わりました(私とボランティアの男性はともに4点でした)。

 「6点取ったから勝ちじゃが」と言っても最初何だかピンと来てないようで、「違うよ。10点だよ」「何で」など言っていたのですが、何回か「今日は6点で終わりだから勝ちやっちゃが」と説明すると、段々と勝ったことを認識してきて嬉しそうになっていました。甥っ子が調子に乗って「大人なのに4歳に負けたの」など言っていましたが、ボランティアの男性は「4歳に『カタン』で負ける貴重な体験が出来た」と温かく受け入れて下さいました。『ブロックス』の終盤でも、置く場所が中々見つけられず一手に大分時間が掛かったりしていたのですが、置く場所を見つけられるまでじっくり待って下さいました。大変ありがたかったです。また、図書館という場所なので、盛り上がったときも黙々とプレイしなければいけないのかと思っていたのですが、甥っ子がそこそこ大きめの声を出しても「静かに」と職員の方に注意されることもなかったので、とても過ごしやすかったです(ダイスの音が響かないようにダイストレーの中に転がすようにとは言われましたし、部屋の入り口は常に開放されているので、当然ながら無制限に騒いで良いわけではありません)。

職員インタビューとボードゲームラインナップ

 ゲームが終わり『カタン』の片付けをしている最中、体験会に参加する前からいくつか気になることがあったので、職員の方に少しお話を聞かせていただきました。以下簡単にその内容を列記します。

①図書館でボードゲームの催しを始めたのはいつからですか。
→1年ほど前からです。ボードゲームを本などと同じ資料として扱うという動きが最近図書館で広がっています。私自身は2,3年前からボードゲームに興味を持ちました。
②担当職員はいますか。毎年担当が変わっていくのでしょうか。
→自分ともう1人インスト出来る人がいるからその2人が担当しています。毎年担当が変わることはありません。インスト出来ない人が担当になっても大変だからです。
③ゲームはどこで購入していますか。ラインナップは今後増えていくのでしょうか。
→ゲームはTRCやすごろくやから購入しています。ラインナップは今後増えていく予定です。誰でも出来るような『UNO』なども入れていきたいと思っています。最終的にはゲームだけでなく、ゲームから本へという流れになることも少し期待してます。
④ゲームにはバーコードが付いてるものと付いてないものがありますが、付いてるものは貸出も行っているのでしょうか。
→貸出は行っていません。バーコードは資料管理のために付けています。バーコードが付いてないものは私物のボードゲームで、体験会のために持って来ています。
⑤普段はどのくらい人が集まりますか。
→以前私の知り合いにも来て貰って40人ぐらい集まったことがありますが、中々そんなには集まらないです。宮崎市ではカードショップなどでゲーム会が行われたりしていますが、川南にはカードショップがないので、ゲームをするという文化が根付いていないのかも知れません。もっと広報にも力を入れないといけないと思っています。『カタン』は今日初めて回すことが出来ました。ゲームに親しむ人たちが川南にも増えていってくれたらと思っています。

 ボードゲームのラインナップもメモさせていただいたので、以下に示します(五十音順)。ラインナップの内、個人所蔵のゲームは毎回変わる可能性があると思います。(2月24日午後8時。図書館所蔵、個人所蔵の記載に間違いがありましたので訂正しています。)
  タイトル 所蔵
1 ヴィクトリーオセロ 図書館所蔵
2 キャット&チョコレート 図書館所蔵
3 将棋 図書館所蔵
4 スティッキー 図書館所蔵
5 そっとおやすみ 図書館所蔵
6 タイムボム:新版 図書館所蔵
7 どうぶつしょうぎ 図書館所蔵
8 トランプ 図書館所蔵
9 犯人は踊る 図書館所蔵
10 ブロックス 図書館所蔵
11 まるごと国旗カード 図書館所蔵
12 みやざきいきものカルタ 図書館所蔵
13 やっちょっど!宮崎すごろく 図書館所蔵
14 ワードバスケット 図書館所蔵
15 GURAGURA TOWN 図書館所蔵
16 イチゴリラ 個人所蔵
17 カタン 個人所蔵
18 カルカソンヌ 個人所蔵
19 ごきぶりポーカー 個人所蔵
20 チケットトゥライド 個人所蔵
21 ドミニオン 個人所蔵
22 ボブジテン 個人所蔵
23 ボブジテンきっず 個人所蔵
24 ボブジテンその2 個人所蔵
25 ボブジテンその3 個人所蔵
26 リング・ディング 個人所蔵
 1~15が図書館所蔵のゲームですが、カードゲームが多い印象です。後は『みやざきいきものカルタ』のような郷土関係のゲーム、将棋のような伝統ゲーム、そして『GURAGURA TOWN』のような教育的ゲームがありました。 ボードを使うゲームは定価が高額で、予算的に購入が厳しいのかも知れませんが、そこを職員個人所有の『カタン』などでカバーされているようです。ただ、今日他に来ていた家族連れの方が『カタン』を見学して「難しそー」と言って帰ってしまったのを見ると、『カルカソンヌ』や『ドミニオン』が稼働するのは中々難しそうです(今日は私達以外に2家族が来ており『リング・ディング』や『スティッキー』で遊んでいました)。

個人的感想

 私が図書館でおはなし会をしていたとき、小学生向けおはなし会に余り大きな子が来ないということが悩みの種だったんですが、これはボードゲーム会でも同じような気がします。『カタン』が今日初めて稼働したと言われていましたし、図書館のおはなしの部屋に『カルカソンヌ』などが出来る大きい子は余り来ないのではないでしょうか(としょかんまつりなど大きなイベント時は除く)。
 今日他に来ていたのも小学校低学年ぐらいの母娘連れの方だったので、小さい女の子でも興味を持ちそうで且つ安価で購入出来る『雲の上のユニコーン』や『パカパカお馬』などがラインナップにあれば良さそうだと感じました。どちらもボードやダイスを使いますから、そうしたものに慣れることにも繋がります。あと、図書館らしいゲームとして『みんなで本をもちよって』や『ディクシット』があっても良い気がします。段々とステップアップして、最後には『カタン』などが出来るようになるかも知れません。
 それと、ステップアップで重要なのは継続性です。甥っ子の場合もそうですが、1つ1つ色んなゲームを少しずつしていき、それが実を結んで『カタン』などが出来るようになってきました。図書館のおはなし会も幼稚園に出向く際は4月は簡単な本しか聞けなくても、毎月行けば、3月にはそこそこ長いおはなしも聞けるようになっています。ここの体験会でも、同じ子たちが継続して通ってくれてこそステップアップが望めると思います。継続して参加して貰うために必要なのは、次も参加しようと感じる動機付けです。以前勤めていた図書館では、おはなし会に参加するとカードにシールを貼ってあげ、全て埋まると粗品(鉛筆や風船など)をプレゼントしていました。ラジオ体操カードのようなものです。これが意外と効果があり、プレゼント目当てというよりも、シールが貯まっていくのが嬉しくて継続して毎週来てくれる子供たちがたくさんいました。別にカードでなくても良いのですが、こうした継続参加への動機付けをしていければ、職員の方が言われたように、川南にボードゲーム文化を段々と根付かせていけるのではないかと思います。
 最後に広報についてですが、このボードゲーム体験会を図書館の公式ページで探しても見つからない気がします。Facebookには載っているんですが、一般の人は公式ページでまず情報を探すと思うので、出来ればこちらにも開催日時の情報などが載っていればと感じました。
 以上の感想はまだ1回しか行ってない身で書いていることですので、甚だ見当違いのことを述べているかも知れません。その点はご了承下さい。

川南町立図書館の概要
 
 最後に、川南町立図書館の簡単な紹介もさせていただきます。川南町の図書館は文化ホールと併設された建物になっており、総称してトロントロンドームと呼ばれています。かなり大きく立派な建物です。
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 このトロントロンというのはドームだけの名前ではなく、実は地名で、近くの商店街はトロントロン商店街という名前です。こちらのページによると、湧き水や小さな滝の音がトロントロンと辺りに響いていたのが地名の由来だそうです(諸説あり)。
 下の写真が図書館の内観です。天井が高く広々としています。
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 おはなしの部屋では毎週土曜日14時からおはなし会が行われています。写真のように、多くの子供たちが訪れているようです。ボードゲーム体験会は毎月第3日曜日だけなので、難しいかも知れないですけど、これも毎週日曜日に出来るようになると良いなと、個人的には思います。
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おわりに

 初めてボードゲーム体験会というものに参加させていただきましたが、本当に良かったです。個人主催のゲーム会に参加するというのは色々な面で心理的ハードルが高いのですが、図書館のような公的な場で職員の方がインストして下さるというのはとても安心感がありました。甥っ子も最初は少し緊張していましたが、最後にはボランティアの方とも大分打ち解けていて、「楽しかった」「また来たい」と言っていました。土日が休みの仕事ではないので毎月行けるかは分かりませんけど、休みが合えば是非また行きたいなと思います。