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はじめに


 2020年11月、ボードゲーム界隈のTwitterを大いに賑わせていたものがありました。それがuchibacoyaさんによる『アクアガーデン』のキックスターターです。
 キックスターターと言われてもよく分からず、自分には関係のない、遠い世界のことのように感じていたのですが、当時の界隈の熱気に感化され、私は人生初のキックをしてしまいました。思わず宣伝記事も書いていました。

 そしておよそ9ヶ月後の2021年8月、遂にキックした『アクアガーデン』が我が家へとやって来たのです。
 魚駒を見せて「可愛いでしょ」と聞くと「可愛い」「思ってたより見た目が良いね」など家族からの評判も良かったです。それからしばらくプレイの機会がなかったのですが、先日ようやくプレイすることが出来ましたので、良いところ、気になったところ含めて早速レビューしていきたいと思います。



この作品のデータ(クリックすると開きます)
タイトル 独:Aqua Garden
米:Aqua Garden
日:アクアガーデン
デザイナー Chuou Totsuka
(戸塚 中央)
アートワーカー Sai Beppu
(別府 さい)
urabe rocinante
(ウラベロシナンテ)
メーカー uchibacoya
(うちばこや, 日)
日本語版発売元 uchibacoya
(うちばこや, 日)
発売年 KS:2020年11月15日
一般:2021年9月4日
プレイ人数 1~4人
公称プレイ時間 約40~60分
対象年齢 15歳以上
定価 KS:4770円
一般:6500円
購入価格 6360円(拡張込セット)+1300円(送料)
2020年11月、KSにて
ルールブック 16ページ
受賞歴 なし
個人的評価 6点(10点満点)

1.ルール概要

 ある街に水族館が出来ました。しかし、出来たばかりで魚が1匹もいないので、オーナーは魚を仕入れに行くことにしました。他の水族館のオーナーも魚が欲しいと思っているので、仕入れは早い者勝ちです。何とか魚を手に入れることが出来たら、オーナーはスタッフに連絡します。スタッフは水族館の水槽を歩いて見て回り、どこに入れるか考えるのが仕事です。ここに入れよう、とすぐに決まることもありますし、必要な物が足りないと思って、海草などを買い足してから入れることもあります。時にはオーナーが仕入れてきた魚を入れる場所がどうしてもなく、泣く泣く海に帰すこともあります。新しい水族館にはお金がないので、オーナーは時に広告を出し、スタッフは時にイベントを行い、お金を稼ぎます。水族館の経営は大変です。

 ちょっと物語調で始めてみましたが、『アクアガーデン』は大体こんな感じで、自分だけの水族館を造り上げるボードゲームです。このゲームは説明書が16ページもあり、文字もたくさん書いてあるので一見ルールの把握が難しそうなのですが、理解してみるとそう難しいルールではありません。『アクアガーデン』の骨子となる部分は、
①オーナーが魚を獲得する
②スタッフが水槽に魚を入れる
③お金を貯めたりマイルストーンカードを達成するなどして勝利点を稼ぐ
の3つだけです。


ルール詳細(クリックすると開きます)
 ゲームの舞台となる場所は魚を仕入れる共通ボード、仕入れた魚を水槽に入れる個人ボード、魚や海草を買い付ける共通の海ボードの3つです。共通ボードではオーナーが、個人ボードではスタッフが活動します。
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 では、まずオーナーの仕事から紹介しましょう。共通ボードから魚を仕入れるのがオーナーの仕事ですが、その方法は双六です。共通ボードの外周にあるマス目を時計回りに進み、オーナーが止まったマスに置いてある魚駒を獲得することが出来るのです。
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 ただ、普通の双六とは違い、ダイスを振って移動するわけではありません。自分の好きなマスまで移動することが出来るのです。ゴールまでいきなり移動することも出来ます。ただし、スタートからゴールに向かってしか移動出来ない、つまり一方通行なので、通り過ぎたマスに戻ることは出来ません。ですから、移動は慎重に行う必要があるのですが、共通ボードには他のプレイヤーのオーナーもいるので、他のオーナーに取りたい魚を先に取られないように気をつける必要もあります。
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 この双六の特異性はダイスを使わないことだけではありません。手番が順々に回ってこないのです。じゃあ、順番はどうなっているかというと、ゴールから1番遠い人が常に手番をするようになっています。ゴルフで旗竿から1番遠い人がプレイするのと同じようなものです。そのため、欲しい魚があったからと余りに先行してしまうと、他のオーナーにたくさん行動されてしまいます。先に取られないように気を付けつつ、行きすぎないよう自重することが求められます(下の写真の白プレイヤーは、ジンベイザメは取れましたが、他のプレイヤーに追い抜かれるまで行動が出来ません)。
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 全てのオーナーがゴールした後は次のラウンドになり、全てのマスに布袋からランダムに引いた魚駒を1つずつ置いていきます。取られずに残っている場所があっても追加の魚駒は置かれるので、そこに止まれば1回で2匹貰えます。『アグリコラ』のようなルールですね。
 では次にスタッフの仕事を紹介しましょう。共通ボードでオーナーが仕入れた魚を個人ボードの水槽に入れていくのがスタッフの仕事ですが、その方法も双六のようなものです。個人ボードのマスに沿ってスタッフを移動させ、魚を入れる水槽を決めていくのです。スタッフはオーナーと違い、1~3マスの間で移動することが出来(お金を払うことで+1~2も可能)、移動後のスタッフが隣接する2つの水槽のどちらかに魚を入れることが出来ます。
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 この魚を入れる時、共通の海ボードから、魚や海草を買い付けて追加で入れることも可能です(海ボードにあるものはどれでも購入可能。全て2金)。
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 魚を水槽に入れるときには気を付けることがいくつかあるのですが、その1つが酸素量です。魚は呼吸に酸素を必要とするため、水槽に供給されている酸素量以上に魚を入れることが出来ないのです。水槽の供給酸素量は4で固定のため、4を超えないように魚を入れる必要があります。
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 ただし、光合成して酸素を生み出す海草を入れることで、酸素量を+2することが出来、そうなると消費酸素量が6になるまで魚を入れられるようになります。
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 ちなみに植物のように見える珊瑚は実は動物のため、酸素を生み出すのではなく消費します。海草と間違えて入れないようにしましょう。
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 もう1つ気を付けるのは魚同士の相性です。クマノミと鮫など、捕食関係にある魚は同じ水槽に入れられないのです。海亀は海草が入っている水槽にしか入れられないという縛りもあります。
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 こうした制約が守れない場合、折角魚を仕入れても水槽に入れることが出来ないので、仕入れた魚か既に水槽に入っている魚を、泣く泣く共通の海ボードに帰さなければなりません。そうならないように、仕入れた魚を入れることが出来る水槽までスタッフを移動させるようにしておきましょう(ルール上は入れられないときだけでなく、いつでも好きな魚を好きなだけ海に帰せるみたいです。ご指摘があり追記しました)。
 こうやって水族館を立派にしていくわけですが、その目的はゲームに勝利することです。このゲームでは規定ラウンド終了時に勝利点を最も獲得したプレイヤーが勝利します(3人なら3ラウンド、4人なら4ラウンドで終了)。
 勝利点の獲得方法は色々あるのですが、その1つが魚を水槽に入れることです。クマノミと石鯛はセットで配置しないと勝利点になりませんが、それ以外の魚は入れるだけで勝利点になってくれます。ゲームに勝つため水槽には出来るだけたくさんの魚を入れていきましょう。
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 より効率的に勝利点を稼ぐ方法は、指定された組み合わせで水槽に魚を入れることです。『アクアガーデン』にはマイルストーンカードと呼ばれるお題カードがあります(全12枚、1ゲームで4枚だけ使用)
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 このカードに指定された魚の組み合わせで水槽を作れると、ボーナス点が貰えるのです。1番最初に作れたプレイヤーには追加ボーナスで色違いの魚駒が無料でプレゼントされます。とっても美味しいので、積極的に達成を狙っていきましょう。
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 魚以外では、ゲームが終わったときにお金を多く持っていたり、最後のラウンドで早くオーナーがゴールしたりしても勝利点が貰えます。
 お金の稼ぎ方にも触れておきましょう。共通ボードからの仕入れと違い、共通の海ボードからの買い付けやスタッフの追加の移動にはお金が必要です。お金はオーナーが共通ボードの広告マスに止まったり、スタッフが個人ボードのイベントアイコンを通過したりすると貯まっていきます。
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 ただ、広告にしろイベントにしろ、指定の魚を集めていないとお金があまり貯まらないようになっているので気を付けましょう。
 以上が『アクアガーデン』の大体のルールです。細かいところは省いてしまいましたが、何となくは伝わったでしょうか。ちなみにこれは3~4人プレイのルールで、1~2人プレイの時は少しルールが異なるようですが、ここでは割愛させて頂きます。
 もっと正確なルールが知りたい場合は公式の説明書が公開されていますので、こちらをご確認下さい。それと、公式の説明動画もあるので貼っておきます。

2.プレイ風景


 2021年8月26日(木)自宅にて母(灰)、弟(白)、私(緑)の3人でプレイ。プレイ時間はインスト込みで1時間30分ほど。
 初めてのプレイなのでどうしたら良いか分かりませんでしたが、取り敢えずイベント水槽に合う魚を集めていくことにしました(私のイベントカードは海亀と石鯛)。そうしている内に、石鯛1、海亀1、クマノミ1、タツノオトシゴ1、珊瑚1のマイルストーンカードが達成出来そうになっていることに気付きます。
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 あと珊瑚とクマノミがあれば1番に達成です。ばれないように急ごうと思ったのですが、実は弟も狙っており、一歩及ばず先に達成されてしまいました(下の写真は弟の完成直前の様子)。
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 弟は鮫も2匹集めており、マイルストーン達成の準備が着々と進んでいます。そんな状況で1ラウンドが終了です。
 セットアップの魚の配置は私がしたので、2ラウンド目は母に担当してもらいました。するとジンベエザメが最初の方に2匹も置かれているではありませんか。
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 水槽に入れるだけで4点貰えるので是非とも欲しい魚です。運良くプレイ順が2番目なので1匹は手に入ります。スタートプレイヤーの母もジンベエザメを取るだろうと思ったのですが、マイルストーン達成を優先して魚駒が2匹あるところに進んでいきました。そのため、私と弟が取れる状況となったのですが、弟も「どうしようかなー」と言って悩みながら、マイルストーン達成を優先して3匹目の鮫を先に取りに行ってしまいました。結果、なんと私が2匹のジンベエザメを手に入れることが出来ました。ジンベエザメが2匹いる私の水族館、実に壮観です。
 弟にはマイルストーンを2つ達成されてしまいましたが、ジンベエザメはマイルストーン2番目達成と同価値なので、勝負はまだ分かりません。その後、クマノミ2,石鯛2,海草のマイルストーンを1番に達成することも出来ました。そんな中々の調子で第2ラウンド終了です。
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 最終ラウンドの魚の配置は弟が担当しました。私は最初の方にいた海亀を手に入れることで、海亀のマイルストーンも1番に達成することが出来、これでマイルストーン1番は2つになり弟に並びました。鮫のマイルストーンは鮫が枯れてしまったため達成出来ませんが、その分ジンベエザメが2匹もいるし、これは勝てるんじゃないだろうかと思えてきました。弟も「ジンベエザメを2匹も上げたのはまずかったかなー。勝てそうだから油断した」と言っています。終盤、更なる加点のためクマノミと石鯛のセット水槽を作っていきました。1セットで3点貰えるのは結構大きいし、セットになっていないと0点なので、少しでも無駄を省くためです。ジンベエザメの水槽にも海草を入れることで魚を追加していきました。普通の鮫は他の魚を食べてしまいますが、ジンベエザメは捕食しないのでクマノミなども共存出来るのです。
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 それ以上加点出来なくなってからは早上がりした方が得だと考え、1番でゴールに行き、3点を頂きました。弟が最後に上がりゲーム終了です。
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 決算。母は36点、私は50点、これは勝っただろうと思ったらなんと弟は55点。まさかの敗北でした。「え、負けた?」と声に出ていました。勝った気がしてたんですけどね。私はジンベエザメとマイルストーンのセットしか考えおらず、鮫や珊瑚を1匹も入れていませんでした。また、広告マスも1回も踏まなかったので、お金もそんなに持っていませんでした。そうした積み重ねが原因で負けたのだと思います。是非リベンジしたいです。

各人の感想
母:微妙。コンポーネントは可愛くて良いけどゲームとしてはどうかな。従業員を毎回ちまちま動かすのが面倒くさい。おおまけにまけて10点中7点。まけなかったら3点。

弟:微妙。プレイしていてゲームの枠にはめられている感がある。マイルストーンは『宝石の煌き』の貴族カードみたいなものだと思うが、プレイ感は『宝石の煌き』から割引の要素を無くした感じ。相乗していかない。効果が大きくならない。マイルストーンの達成で魚の差が付くので、勝ってる人が更に勝ちやすいゲーム性だとも思う。イベントも面白みに欠ける。イベントカードのイラストの割にそういうイベントをしている感がない。オーナーが進む外周トラックに魚が余り残らないから積み上がる楽しみもない。先を急ぐメリットがそこまでないから基本的に殆どの魚が取られていく。不要な魚は終盤のセットに出来ないクマノミぐらい。全体的に単調な感じもある。目標カードが追加で貰えた方が面白い気がする。それを秘匿で持っていて、達成したら得点みたいな。広告マスも地味。最初の手番で必ずイベントが起こるようになっているが、まだ魚が1匹もいないのに1金入るようになっているのは変。それなら最初から3金持たせて違うところから始めるべき。オーナーを動かしてから従業員を動かすのも違和感がある。従業員を動かしてからオーナーを動かし、その魚をそのまま水槽に入れた方が自然だと思う。広告マスに止まった場合従業員を動かさないからそのための苦肉の策なのかも知れないけど。海草を1つしか入れられないのも残念。海草をガンガン入れて凄い水槽も作ってみたかった。10点中4点ぐらい。

3.個人的評価:6(10点満点)

 家族からの評価はちょっとあれでしたが、私は結構楽しかったです。水槽をレイアウトするのも楽しいですし、オーナー駒をどこまで進めるか、実に悩ましい時間を過ごせました。1つ1つ良かったところを見ていってみましょう。
 
第1はやっぱり可愛い魚駒でしょうね。種類もたくさんあるし、駒の形も魚に合わせてくりぬかれてあるので、本当に見ているだけで楽しくなります。そして、その魚たちを自分の水槽に好きなように配置することが出来るというのが、また実に良いですね。水槽に入れられる上限が酸素量で決まっており、肉食のサメと小型魚などが共存出来ないなど、妙にリアルな仕組みも魚好きとしては嬉しいです。マイルストーンを達成すると手に入る色違いの魚駒も一般の駒と効果が変わることは無いですが、水槽のちょっとしたアクセントになって良い感じです。
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 それと、駒の両面ともイラストされているお陰で、魚を向かい合うように配置出来るのもとても良いです。何か会話してるみたいですよね。
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 皆がマイルストーンを目指すと似通った水槽ばかりになりそうですが、各魚駒には上限があり、イベントカードの指定魚もそれぞれ違うため、ゲーム終了後には各プレイヤーの個性、というかゲーム展開が反映された水槽が出来上がるようになっています。そのため、終わったあとお互いの水族館を眺めるのも中々乙です。こんな感じになったんだーと見ていて楽しいです。
 ゲーム性としては
マイルストーンを巡る戦いが熱いです。必要な魚が遠くにある場合、すぐに取りに行くことも出来ますが、後ろのプレイヤーに抜かれるまで何も出来なくなってしまいます。ゆっくりたくさん行動するか、さっさと進むかのジレンマを味わえます
 ルール的には
1番後ろの人が手番というのが、今誰の手番かが分かりやすくて良いですね。我が家でプレイしていると、今誰の番だっけとなることがたまにあるのですが、このルールだとそれがありません。あと、水槽に入れられない魚駒を取ったときは海に帰せるというルールも分かりやすくて良いなと思います(ルール上は入れられないときだけでなく、いつでも好きな魚を好きなだけ海に戻せるようです。ご指摘があり追記しました)。
 一方、『アクアガーデン』の気になる点ですが、
自分の水槽を好きなように作れるとは言っても、勝利点の組み合わせや酸素量の制限もあり、実際はそこまで自由に作れないということが挙げられます。弟が指摘したように、海草をたくさん入れて魚を大量に入れた水槽が作れても楽しかっただろうなと思いますし、ジンベエザメを2匹入れた水槽も酸素量の問題で出来ませんけど作ってみたかったです。また、クマノミだけじゃ1点にもならないため、クマノミだけの水槽は作れるけど作れません。結局は勝利点を目指した水槽を作ることになります。それと、水族館には珊瑚だけの水槽もよくあると思うのですけど、『アクアガーデン』ではルール上1つの水槽には1つの珊瑚しか入れることが出来ないので、珊瑚水槽は作りたくても作れません。こういった様々な制約が少しだけ残念だったかなと思いますまあ、全て自由ではなくある程度の縛りがある中でやりくりするのが楽しいと言えばそうなんですけど。
 2つ目の気になる点は、弟も指摘していますが、ラウンド終了時に魚駒が残っていた場合、次のラウンドではそのマスの魚駒が新しく追加されたのと合わせて2つになるというルールがあまり機能していないということが挙げられます。最初このルールを読んだとき、『アグリコラ』のように人気がない資材が積み重なることで人気になるという楽しみを味わえるんだなと思っていたのですが、これが意外とそうはなりませんでした。何故かというと、殆どの魚が得点源になり、基本的にいらない魚がないからです。だから誰かがマイルストーン達成を目指して多少先行したとしても、他のプレイヤーは後ろをゆっくり進んできます。これは後ろが前を追い抜くまで何回でも行動出来るというルールの弊害でもありますね。急ぐ必要がない。もしかしたら余所は違うのかも知れませんが、我が家でプレイした限りでは魚駒はほぼ根こそぎ持って行かれていて、2匹置かれることは1回しか起こりませんでした。積み重なる楽しさはこのゲームの主眼ではないのかも知れませんけど、1回で複数の魚が手に入ったら楽しいと思うので、そのルールがあまり機能していないのは何だか勿体なく感じます。
 後は、ジンベエザメが最初の方にあり、共通の海ボードにも置かれていた場合、1人のプレイヤーに2匹とも取られてしまうので、そうなるとゲームバランスがどうかなというのがあります。3人プレイだとジンベエザメは2匹しかいないので余計にです。そんなに頻発する事態ではないと思いますが、1回だけそういうことがありました。これにジンベエザメが必要なマイルストーンカードまで出てきて、第1ラウンドのスタートプレイヤーにそれをされてしまうと中々厳しい気がします。
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 ジンベエザメみたいなある種特殊な魚は、酸素量が5必要みたいに、1手目からは取れないとかの仕組みがあれば良かったのにと思います。
 それと、ラウンド開始時に袋から魚駒を引くときに、駒の形で何の魚か分かってしまうというのもありますが、これはそこまで問題になる要素ではないと個人的には感じています。袋から引いた駒を個人ボードに置くとかなら盲牌は大問題でしょうけど、置く場所は共通ボードですから、例え偏った駒、鮫ばっかりとかが置かれたとしても、そこまで影響はないんじゃないでしょうか(私の理解不足かも知れませんが)。影響があるとすれば、スタートプレイヤーが袋から引いて、欲しい魚駒を1マス目に置いて、それを誰にも邪魔されずに自分で取るという場合だけかと思いますが、袋から引くプレイヤーを最後手番の人にするなどすれば解決出来る気がします。後は最初に手に触れたものを出すようにするぐらいですかね。一応、Twitterでは様々な改善案が出されていたので、それもここで紹介しておきます。
 さて、私が個人的に感じたことはこれ位で、評価は
6点ぐらいです。元々私が魚好きなので多少好意的に見ている面もある気はしますが、駒は可愛いですし、1回プレイすれば把握出来るややこしくないルールで、そこそこの悩ましさも味わえる。ちょっと淡々としたプレイ感の気はしますけど、良いゲームじゃないかなと思います(書き忘れてましたが、得点ボードはあった方が良かったです。最終決算が少し面倒なので)。

4.『アクアガーデン』の入手方法(2021年9月時点)

 
日本Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、駿河屋などでは取り扱いが見当たりません。将来的に販売する予定があるのかは分かりませんが、現時点ではuchibacoyaさんでのみ販売ページが確認出来ます(9月4日予約受付開始)。
 
 uchibacoyaさんは送料1000円~購入金額により無料になることはありません。ちなみにメルカリやヤフオクに出品されているのも見かけますが、17000円以上の高値で取引されているのが殆どなので余りお薦めしません。絶版ならともかく拡張含めてもうすぐ一般販売されますからね。キックスターター限定の拡張が欲しいという方が購入されるのかも知れませんが、次回のキックスターター(『Ostia』とか?)のアドオン等で購入出来るようにするらしいので、そこで購入された方が良いのではないかと思います。

おわりに

 人生初のキックスターターであり、初の国産中量級ボードゲーム購入となった『アクアガーデン』、個人的にはそこまで低い評価ではないのですが、家族からの評価が低いのが悩みの種です。お陰で再プレイが出来ません。まだそんなにプレイ回数を重ねられていないので、これから印象が変わるかも知れないんですが。基本だけだと物足りないという話も聞きますし、上級ルールや拡張を入れてのプレイも是非してみたいと思います。今のところ誘ってもやりたくないと言われるので、家族のやる気が戻ってきたら、今度は甥っ子も入れてやってみたいです。それが出来たときは、上級ルールと拡張についてのレビューを追記する形か別記事になるかは分かりませんが、書いていきたいと思います。
 最後にTwitterの紹介を。ゲーム内容とは直接関係ありませんが、魅力的な魚駒で皆さん色々な遊び方をされているようでして、印象に残ったのをここに掲げさせて頂きます。積むのは楽しそうなので、今度試してみたいと思います。